【序文】スプレッドシートには映らない「影」
投資家たちが血眼になって追い求める指標、ROE(自己資本利益率)。
「いかに効率よく利益を出すか」というその数式は、一見すると知的で美しい。
しかし、その分母を削り、分子を膨らませる計算式の裏側で、私たちは
「人間という名の廃棄物」 を大量生産していることに、気づかないフリをしている。
AIがホワイトカラーの仕事を奪い、ロボットが現場の「10秒の作業」を無価値にする。
その果てに生まれるのは、効率化された未来ではない。
「失うものが何もない人間」――
すなわち、システムへの究極の拒否権を持つ「無敵の人」の群れだ。
1.効率化の極致としての「人間排除」
資本主義の目的は、もはや
「価値の創造」ではなく「コストの抹殺」 にシフトした。
企業がROEを高めるために行うリストラやAI導入は、
計算機の上では「最適解」だ。
しかし、社会全体で見れば、それは 「爆薬の充填」 に他ならない。
● チャリンチャリンと吸い上げられる命
庶民の貯金は、手数料や保険料として静かに吸い上げられる。
労働価値は希薄化し、やがてゼロに近づいていく。
● 低ROEへの死刑宣告
システムは囁く。
「利益を生まない者は、存在する意味がない」と。
だが、死にきれなかった人間たちは、どこへ行くのか?
2.「絶望」が「武器」に変わる瞬間
しかし、どちらの国家も本質的には同じものに怯えている。
それは、「合理的な損得勘定を捨てた個人の怒り」 である。
● 銃という名の物理的バグ
どれだけPERが高かろうが、
どれだけAIが賢かろうが、
弾丸一発が脳を停止させる現実は、ハックできない。
● 無形の爆弾
銃がない国でも、
「寝そべり」や「無差別な暴発」という形で、
システムは内側から腐食していく。
彼らが最も恐れているのは、
私たちが 「このゲームには、もう参加しない」 と宣言し、
盤面そのものを破壊しに来ることだ。
3.「麻酔」を打ち続ける統治者たち
なぜダウ平均は暴落しないのか。
なぜ政府は、悪徳な保険会社を本気で潰さないのか。
答えは単純だ。
「株価という名の麻酔」が切れた瞬間、
善良な市民が「無敵の人」に変異することを、彼らは知っている。
● 任天堂とソニーの真の役割
ゲームをしている間、
人々は自分たちのROEが低い現実を忘れられる。
エンタメは、もはや文化ではない。
国家の「治安維持予算」の一部である。
● 厳重注意止まりのプロレス
政府と巨大企業は共犯関係にある。
「厳重注意」というポーズでガス抜きをしながら、
今日もあなたの貯金は吸い上げられていく。
4.結論:私たちは「心中」の準備ができているか
私たちは今、二つの選択肢を突きつけられている。
- 奪われる側として、静かに死ぬか
- それとも、
「奪う側の船(トップ10企業)」に無理やり乗り込み、
システムが自爆する直前まで、彼らの保身を利用して生き延びるか
「下がったら買い増す」という行為は、もはや投資ではない。
それは、この狂った世界が
「自らを滅ぼす恐怖」に駆られて株価を吊り上げ続ける姿を、
嘲笑しながら利用するサバイバルである。
世界が「核爆発」という最終リセットを幻視するその日まで、
私はこの 「無敵の視点」 を手放さない。
【編集後記】
この記事を読んで、
もしあなたが「自分には価値がない」と感じたのなら――おめでとうございます。
あなたは今、
システムにとって最も恐ろしい「拒否権」 を手に入れています。